日商簿記3級、2級、1級の難易度比較
日商簿記3級と2級、2級と1級はどのくらいの難易度差があるか、自身も学習開始前はとても気になりました。
これから簿記の学習を始めようとされている方、及び3級を取得したが2級を取得するか検討している方や、2級を取得したが1級を取得するか検討している方へのものさしとなるよう、難易度差を紹介いたします。
難易度を知ることで得られること
難易度を知ることによって、以下の検討材料にすることができます。
・何月の試験に照準を合わせて勉強するか
・受検すべきか、諦めるべきか
・独学するか、通信、通学にするか
以下をご参照のうえ、上記につき、ご検討ください。
簿記の級別難易度比較
日商簿記3級から1級を学習した経験者として難易度差をお話しします。
・3級 1
・2級 3
・1級 30
* 簿記3級を1とした場合
学習開始時からの比較を現実世界の距離にしてみた場合、
学習開始時点東京駅にいるとすると、3級は「上野駅」、2級は「お台場」、1級は「甲府駅」となります。
正直このくらいの差があります。
私自身、2級取得後は、1級も3級、2級の差よりちょっときついくらいだろうと思っておりました。
ところが、2級、1級の差は正直「赤子」と「大人」くらいの歴然とした差があります。
私の学習時間
まず私が簿記の学習をしていた頃、3級から1級を通し、同等に以下のようなペースで学習をしておりました。
・平日…3~4時間程度
・土日祝日…6時間程度
*上記は机に向かったり、参考書を開いたりしていた時間であり、集中していた時間は半分、よくて2/3くらいと思われます。
そして、学習に要した期間はというと、以下の通りです。
・2級の取得に要した期間…2ヶ月(学習時間:260h 集中時間:173h)
・1級の取得に要した期間…1年3ヶ月(学習時間:1950h 集中時間:1300h)
*()内は上記学習時間を元に概算した学習時間です。集中時間は学習時間の2/3で計算しています。
*3級は当初受検せず、3級の学習後、2級を直接受けました。
試験の合格時の点数と受検回数
・2級…1回 96点
・1級…2回 91点 (1回目は60点台を獲得も足切)
試験の苦労話
2級については殆ど苦労することはありませんでした。
2~3参考書で理解できない点がありましたが、問題演習を通し、不明点を理解することができ、試験前に初見で解いた過去問5回は全て合格点を超えることができ、万全の体制で試験に臨むことができました。
1級は上述の通り、体感地2級の10倍難しく、苦労の連続でした。
参考書を読んでいても「なぜこの処理になるのか」理解できない点が頻発する、例えるなら5歩進んで立ち止まるの繰り返しであり、問題を解いてみても理解できないことが度々ありました。
わからないことにぶち当たる度ネットで検索して調べ、調べているうちに趣味のサイトを見て集中力を欠いたり、一日中分からない部分の論理を考え続けてもわからなかったりと、とにかく処理の意味が理解できず、立ち止まってしまうことが多かったです。
苦労話の詳細は別途記したいと思います。
試験はというと、1回目の受検時は、試験前に過去問を解いても20-30点しか取れず、望みが殆どない中での受検となりました。
2回目も1年3ヶ月もの期間を費やしたにも関わらず、過去問を解いた際、合格点をとれたのは半分程度で、万全の体制とは程遠い状況でした。
学習方法
いずれも独学で学習しました。
しかしながら、独学とはいっても、簿記については受検者が多いこともあり、数社が十数種類もの参考書を出版し、それが相互に競争し合っているため、非常に参考書が分かりやすい、質の良いものとなっています。
受験者の少ない資格試験ですと、文字ばかりの、読む気の完全に失せるような参考書しか選択肢がないので、簿記のような受験者数の多い資格は独学に極めて向いています。
とはいえ、1級については内容が難しすぎるので、イラストや図解を随所に盛り込んだ書籍をもってしても、なかなか内容を理解できませんので、通学、通信を受けられる環境であればそちらを勧めます。